実習を1週間終えて

<実習について>
先週は麻酔科のいろいろな分野、特に日本と異なる分野を中心に見学させてもらった(手術室、ペインコントロール、外来での術前アセスメントなど)。米国での麻酔科医の仕事の全体像は大体把握できた(気がする)。というわけで、そろそろ見学は終わりにして、雑用でも何でもいいので、チームの一員として医療に参加してみたくなってきた。来週は、一人のレジデント(研修医)にずっと張り付かせてもらって、仕事を手伝わせてください(弟子入りさせてください?)という要望を出してみた。
麻酔科はローテートしている学生が私を含めて二人しかいないので、自分の目標を明確に示して、誠意をもってお願いすれば、結構要望を聞いてもらえる。
来週はフットワーク軽く、一生懸命、雑用に励みたい。
米国レジデントの一日はどんなものなのか、よく観察しよう。

<インフォームドコンセント>
米国の医師は患者に対して、治療法の選択肢を挙げた後で、しばしばup to you(あなた次第です)と言う。治療方法について、それぞれの長所、短所はきちんと伝えるが、どれかの治療法を積極的に勧めることはほとんどしない(訴訟のリスクを常に考えている)。患者も治療法の選択を医師に委ねることは少ないように思う。(経済的理由で選択の余地がない場合も多い)
対して、日本では、治療法の選択肢を挙げて説明した後、医師がどれかの選択肢を勧める場面は多い気がする。もちろん、患者の希望を最優先するが、患者も医師に判断を委ねることで安心感を得ている場合が多い(気がする)。
米国医療現場では、患者に選択肢を提示し、患者主体で治療方針を決定するinformed conscentをひたすら重要視するが、日本で治療方針の選択を患者に丸投げしたら、混乱したり、不安を感じる人も多いのではないか。だいたい、十分な日本語訳が作れずにカタカナ表記でインフォームドコンセントと言っている時点で、日本人が良く理解できない概念なんじゃないか(と医学生の分際で考えてみる)。
アメリカの医療は合理的で時折り感動を覚えるが、そこで学んだことを日本の現場で生かすには、少し修正が必要だと思う。